第1章 少年と友達

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大輝 五歳の夏 大輝には仲のいい幼馴染みがいた。 一つ年上の男の子の雅史(通称マーシー)と同い年の女の子の沙織ちゃん。 マーシーは冒険が大好きで大輝はいつもマーシーの後ろを付いて回っていた。そんな二人を見守る沙織ちゃん。 沙織ちゃんはとても可愛らしい女の子で大輝と二人でおままごとをしたり人形で遊んだりしていた。沙織ちゃんと遊ぶのは凄く楽しい。顔がにやけてしまう僕。反対にマーシーはおままごとが嫌いだったのか女の子の遊びには興味がなかったようだ。 「大ちゃんは大きくなったら何になりたいの?」 なぜかはわからないが沙織ちゃんはこの事をよく聞いてきた。子供の時の夢と言えばなんとかレンジャーになりたいだとか大金持ちになりたいとかがごく一般的だが僕は違った。 「僕は大きくなったらゾウさんになるんだ」 沙織ちゃんはこの答えに笑わなかった。他の大人に同じ質問をされたら笑れるのに沙織ちゃんだけは真剣に受け止めてくれたのだ。 僕からしたら沙織ちゃんは天使のような存在で本当に大好きだった。
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