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マーシーがいる時の遊びは決まって冒険だった。
近くにある川に行って魚を見つけたり山を散策したりしていた。
「大輝ー、はよ来いよー。」
マーシーは山の中を躊躇なく歩いていく。
昼間の山は怖くはなかったが虫がいたり道に迷いそうだったので僕はゆっくり歩くようにしていた。
山を散策していると小さな洞窟を見つけて、僕たち三人はそこを基地にして遊んでいた。
そんなある時、基地に知らない人がきたのだった。
「誰や?」
マーシーは叫んだ。
あご髭を胸あたりまで生やした見た事のないお爺さんだった。
僕は怖かった。横を見るとマーシーは威圧的で沙織ちゃんは怯えていた。
やっぱりマーシーは頼れる存在。
「元気な子供やのー、わしは変な人でもなんでもない、この近所に住むただのお爺さんじゃよ。」
明らかに怪しいお爺さんだった。
マーシーは怯える僕と沙織ちゃんを見てまた叫んだ。
「帰れよ、俺らの基地やぞ。」
すると、お爺さんはこう言った。
「子供は元気があってええのー、羨ましいのー。」
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