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森の奥深く、男は一人の死体を眺めながら立ち尽くしていました。死体は頭から血を流しており、男の手には拳銃がありました。人とはどうしてこう、無駄なことをしたがるのだろうか。それはなんとか生きたいと命乞いや抵抗を試みる人間と、それを弄んだ後に結局は殺した自分自身への問いかけでした。
息を深く吸い込み真っ青な空を見上げると、鳥たちが木々の間を悠々と飛び交っています。男は自嘲気味に吐き捨てるように心の中で笑いました。
『だから、面白いのか』
ほのかに甘い香りが木々の間を漂います。辺りには一面、白い花畑が広がっていました。
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