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第二次大戦が始まる前の話。ドイツではヒトラーを党首とするナチスという政党が政権を握っていました。ナチスはドイツ人が世界で一番優秀な民族であり、ユダヤ人はそれをおびやかす最大の悪だと主張しました。ユダヤ人という敵を作ることで、ナチスは多くの国民を団結させ、力を増していきました。
こうしたナチスの政策により、ドイツ中のユダヤ人は差別・迫害されていきました。ついにはユダヤ人やその他下等民族とされた民族は、収容所に囚人として収容され過酷な労働を強いられ、使いものにならなくなったユダヤ人たちは殺されていきました。
話はここからなのですが、ドイツのとあるユダヤ人強制収容所に、ローリッツ大佐というナチス親衛隊員の男が所長として働いていました。
ローリッツ大佐はとても残酷な性格でナチス親衛隊の中でも有名でした。収容所と言っても彼の仕事は囚人(ユダヤ人など)の名簿登録や作業監督などの事務や管理業務が殆どで、直接囚人と関わる仕事はありません。しかし裏では適当なユダヤ人を勝手に殺したりしていたのです。本来、労働力にならないと断されたユダヤ人達は皆、毒ガスやピストルなどで殺して廃棄することになっていました。しかしどういうわけかローリッツ大佐は、労働力があるなし関係なしに殺害し、その方法も地味なものを好みませんでした。
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