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「それにしても、やっぱりここに来るといい事あるわぁ」 語尾の息の漏れはなんだったのだろうか?それに、いい事って──笑えるような笑えないような。これは幸せとして捉えるのが正しいのだろうか?それが一般的だろう。けれど僕自身、この、今の現状では不幸なのかもしれそうか。いい事か、いい事。 「いい事って?」 「ん?なんでもないよ」 なんだそれ。 「ただの独り言」 いや、独り言って── さらに白河さんは続けた。 「あ、そうだ。ねえ、一週間後、またここで会わない?」 突然の白河さんからの提案。 「え、なんで?一週間後?いいよ。なんで? 」 特に断る意味もなかった。全くわけがわからなかったけれど。 「じゃ、クラスが同じじゃない限り、また来週、この川原で」 そして、夜が明けるのを見届けた。ずっと、北極星が見えなくなるまで。また来週。多分。
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