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目の前に聳え立つのは白色の校舎。その手前が駐車場。入った途端に空気の質が変わったように感じた。 1歩、2歩、3歩──と、丁寧に足を動かしていく。20メートルくらい歩いてからだろうか。運動場が見えた。敷地の半分くらいの大きさだ。僕が使う時って体育の授業くらいなのだか……勿体ないな。こんなに広いのに。 ちなみに、クラスがどの学年も8クラスある。学級が30人ほど。 駐車場側が教室棟で、運動場側が特別教室棟だ。 思い出しているうちに昇降口に着く。考えごとの最中に昇降口に着く。 僕はその罪なき牢獄の半透明のガラスの迫力に何度目かの感動を抱いた。 そして、そのドアについている取っ手を強く握り、奥に押した。冷ややかな空気が押し寄せてくる。1歩、前へ出た。
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