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「仕事で仕方ないってのはわかってるんだ」
「うん」
「自分の親の会社だし、俺も跡をつぐわけだし。俺にとっても大事な会社だからその会社で働いてくれてる心海のこと、すっげぇなって思ってる」
「すごいだなんて」
「女で仕事をちゃんと任せられるのは、心海くらいだってみんな言ってるんだよ」
暁の言葉に胸のなかが暖かくなる。
女だからって舐められたくなくて。
そして、いつか暁の本当の妻があたしであることが分かったとしても。
暁と結婚してるからコネでおいてもらってるなんて思われたくなかったから。
だから、ガムシャラに働いてきたとこはあった。
「俺、普段現場とか全然でないから。心海の働きぶり見れてなくてなんかみんなに負けてる気がすんだよ」
「負けてるだなんて。暁はオフなあたしを誰よりも知ってるじゃない」
「まぁ、オフな心海の姿なんて他のやつに見せたら殺すけど」
ニヤッと笑ってあたしを壁に追いやる。
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