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4。
その人は動いた…
あっ!
良かった…生きている!!
私は立ち上がり
カーテンを開けた
「うっ…眩しいなぁ…
何だよ~っ…」
えっ?
この声は
明らかに
お年寄りではない声だよね?
私は振り返って
その声の主を見た…
髪はボサボサ…
無精髭まで生やしている
男性が寝転がっていた…
「キャーーっ!!」
私は思わず叫んだ
その男性は慌てて
飛び起きた
「どうした?!…って
あんた誰だ?」
「す、すみません!!
隣に越してきた…庄司です。」
畳の上に置いた
菓子折りを手渡した…
「物好きもいるんだな?
あんたみたいな若い人が…」
「あの~」
「何?」
「あなたが柴門さんですか?」
「そうだけど?」
「ごめんなさい…
私、てっきりお隣さんは
お年寄りかと思ってました…
大家さんが時々声をかけてと
言われてので…」
「はははは!俺が?」
「はい…」
「あの…大家、余計な事を…」
「聞いても良いですか?」
「何?」
かったるそうに返事をする
「昼間から寝てたようですが
ご職業は?」
「それ、聞くかな?
あまり言いたくないけど…
大家も知ってるのにな…
物書きをしてる…」
「と、言いますと
作家さんなんですか?」
「あんたは読まないと思うけどね?」
えっ?小説くらい読むし
「私だって、読みますよ?」
「へーっ、こんなもんでも?」
柴門さんは私の前に
投げ出した
それは…
女性の裸が描かれた雑誌だった…
ドキッ…
………
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