第一章・それは必然的で

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・・・ 長谷川(ハセガワ)汐音(シオネ)。高校2年生。 普通の女子高生、で居たかったけれど、どうも少し整った体で生まれてきてしまったようで。 朝登校してくれば、正門から教室に入るまで、男子に群がられ。 長谷川さんって美人なのに彼氏持ちじゃないって! しかもテストもいつもトップ! 料理も何でもこなすらしいな! 正に理想の彼女像だよな… 故にそういうことらしい。 登校してきて教室に入るまで、折角念入りにブローをしてきてもすぐに悲惨な状態になり、 制服も擦れて他人よりテカリが激しい気がする。 ブレザーの襟だっていつの間にか立っているし、リボンだって真正面に来ていない。 スカートはプリーツが崩れ、靴下も半分ずり落ちている。 酷い。流石にこれは酷い。 中学もそれなりにモテたけれど(自分で言うのも気が引けるが)、高校に入ってこんな状況に陥るとは思いもしなかった。 やっぱ生徒数の多い高校になんか入るんじゃなかった、とか考えても今更遅い。 高校は思春期絶好調だ。 そして最近リア充男子は少ないと聞く。 そんなにリア充になりたいのか男子よ。 最近は群がる男子も増加傾向にあって、本気で対策を考えている今日この頃だ。
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