第一章・それは必然的で

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・・・ 富谷(トミヤ)遥樹(ハルキ)。高校2年生。 自分で言うのも気が引けるが、自分は少し整った体で生まれてきてしまったらしい。 俺の朝は早起きから始まる。 朝は5時半には起きて、支度をし、6時半に家を出て7時に学校に着く。 そうでもしないと女子が群がって大変なことになるからだ。 入学したての頃から俺は学校の注目の的だったらしく。(理由は言うまでもない。) 十数回と女子の被害に遭った。 被害には遭わずとも、囲まれるのは毎日のことだった(これも被害と言うのかも知れないが)。 ブレザーのボタンはしょっちゅう千切られそうになり。 何時の間にか靴が脱げているなんてこともあった。 正直言えば、女子が嫌いという程でもない。 ただ、人混みは苦手だ。大の苦手だ。 故に、朝は早く起きて正門が開く前に学校に来るようにした。 そうしたら案の定、女子の被害には遭わなかったし、人も居ないので開放感に溢れて登校することが出来て良いことずくめだった。 そしてこの生活を続けて2ヶ月。 未だに被害には遭わずに生活することが出来ている。
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