・これが唯一の手段

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「で、どうだった?あんな短時間で何してきたのよ紅葉…」 HRは終わり、あと6、7分で一時限目が始まる。 白柏君がどのクラスかは知らないが、私達は真ん中のクラスなので、一番遠くて急げば往復1分半といった所だろう。 「朔くんのクラスに行ってきました……」 「それは分かってるから、詳細を…ね??」 「えと、朔くんのクラス行って、扉バン!って開けて………えと、それで、っと………」 「いいよ笑わないから。言いな?」 「えっと……『朔くん!放課後お話しがあるので体育館裏来て貰えますか!!』って突撃を……そしてすぐ逃げてきて……そのまま……」 「白柏君の返事は?」 「聞いてません……」 それは……言い逃げしてきたんか……… 「でも取り敢えず放課後告白するって決めたんでしょ?」 「うん、そうだけど…………………………あーーー……絶対私引かれたよね!!?もうただのイカれた変人だよ……ちゃんと来てくれるといいな……」 「ほら、ウジウジしたってもうしたことは変えられないんだから。あとは放課後頑張るのみでしょ?」 「そうなんだけど、そうだけど…………、んぅー、うん、うん、そうだよね!やっぱりちゃんと頑張んなきゃだよね!」 紅葉は張り切り、頭を切り替えたようで、私に笑顔を残して席へと戻っていった。
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