・これが唯一の手段

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「どうしよう汐音……!!やっぱり緊張するよぅ………あああ勢いであんなこと言うんじゃなかった……」 今やっと放課後になり、今は昇降口へ向かっている。 私は昇降口で紅葉を待つ約束だ。 「自分で言ってきたくせに何そんなこと…」 「だって!!汐音が急かすから!!汐音のせい汐音のせい汐音のせい!!」 あーあーあー、時々出て来るこの紅葉の悪い癖。 「私『今すぐ行け』なんて言ってないよ……?」 「んううう、分かってるよう、でも、、、、緊張する……」 「まあ、もう言ったことはしょうがないんだから、行きな?白柏君待ってるよ?」 そう聞かせると、紅葉は少しだけ戸惑ったような顔をして俯いた。 「じゃあ分かった、ひとつ約束して?」 紅葉がこういう時突拍子もないことは言わないことは判っているので、そのまま紅葉の方を向いて黙って居る。
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