・君といれたら

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「あ、よかった。起きた。」 「え?」 富谷遥樹が体を起こしながら惚けた声をあげた。 「うわぁ!お、起きた?」 いきなり声をあげるもんだから、体をビクッと震わせてしまった。 「えっと、起きました。」 「あっ、じゃあ、俺はこれで。」 「ちょっ、待って!えっと、ありがとう!運んでくれたんだよね?」 すると、少し驚いたような顔をして固まってしまった。 私はどうしたのかと不思議に思い、首を傾げる。 「偶々通りかかって、倒れてたから」 「うわぁ……ほんとごめん…ありがとうね」 「いや、全然、じゃあ、」 「な、何かお礼!」 「いらないよ、大丈夫」 そう言われながらも、ポケットをガサゴソと漁る。 確か、飴ちゃんがここに…… 「あった!はい、これ、全然足りないけど、お礼です。迷惑かけてごめんなさい」 ポケットに入っていた数粒の飴を差し出す。 「いいのか?」 「うん、寧ろ貰ってください。」 「そっか、ありがとう」 言うと、俯いて微笑みながら、素直に受け取ってくれた。 うわぁ、やっぱイケメンさん…。
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