39人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、よかった。起きた。」
「え?」
富谷遥樹が体を起こしながら惚けた声をあげた。
「うわぁ!お、起きた?」
いきなり声をあげるもんだから、体をビクッと震わせてしまった。
「えっと、起きました。」
「あっ、じゃあ、俺はこれで。」
「ちょっ、待って!えっと、ありがとう!運んでくれたんだよね?」
すると、少し驚いたような顔をして固まってしまった。
私はどうしたのかと不思議に思い、首を傾げる。
「偶々通りかかって、倒れてたから」
「うわぁ……ほんとごめん…ありがとうね」
「いや、全然、じゃあ、」
「な、何かお礼!」
「いらないよ、大丈夫」
そう言われながらも、ポケットをガサゴソと漁る。
確か、飴ちゃんがここに……
「あった!はい、これ、全然足りないけど、お礼です。迷惑かけてごめんなさい」
ポケットに入っていた数粒の飴を差し出す。
「いいのか?」
「うん、寧ろ貰ってください。」
「そっか、ありがとう」
言うと、俯いて微笑みながら、素直に受け取ってくれた。
うわぁ、やっぱイケメンさん…。
最初のコメントを投稿しよう!