・君といれたら

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どうしようか……もっとちゃんとお礼をすべきでは……? でも放課後バスケでもしてない限り会う機会なんてそうそーー 「………しおねー……」 ん、なんか聞こえる。 「……しおねー!……」 これ、紅葉の声? 廊下からだ。 ガラッ、という音がして扉の方を見ると、肩を激しく上下させる紅葉の姿。 「しーおーねーーー!!」 今にも泣きそうな声で私に向かって走ってきて、抱きつかれる。 「大丈夫!?まだ具合悪い?もっと寝てていいから!ね?」 んん…だいぶ心配させたようだ……。 「もう大丈夫だから!いっぱい寝たし!ね?」 「ほんと?」 「ほんと。」 「……よかったぁーー!!心配したよぉーー!」 「ごめんね、心配かけて。」 「そうだよぉーー!4限終わっても来ないから心配してたら、運ばれたって言うし、昼休み保健室来たら富谷くんいるし、、、、、 そう!富谷くん!なんでいたの?運んでもらったの!? しかもちょっとなんかいい感じ~?の雰囲気~?だったしぃ~?邪魔しないように汐音の顔ちらっと見て帰って来ちゃったからさぁ~?」 紅葉、悪い顔になってるよ…… 「う、うん、たまたま通り掛かったらしくて、なんか運んでもらっちゃったみたいでさぁ…ほんとごめんなさいって謝っといた」 「ふぅーん?本当はわざわざ助けに来てたりしてねぇ~?」 「いやいやそれはない!だって倒れたの中庭の植木の影だよ?分かる訳ないじゃん?」 「まあそっかなあ?」 紅葉は妙に納得しない様子で頷く。
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