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「それで、どうしたの?」
今私達がいるのは非常階段の前で、人があまり通らない所だ。
「これ、昨日のお礼。あの時気づかなかったんだけど、私倒れたのお昼前で、起きたの夕方だったでしょ?富谷君、結構熟睡してたってことは大分の時間あそこにいたはずだし、ってことはお昼前から夕方まであそこに居てくれたってことで……
とにかく!飴ちゃん数粒じゃ足りない程迷惑かけてたので!これ!どうぞ!」
勢いよく包みを差し出す。
「いや!そんな俺、ただサボってただけだし、男が勝手に自分の寝てるとこで寝てたら迷惑なだけだったろ!
しかも倒れてたの見つけたのも偶然だし、だから、こういうの貰う資格無いっていうか、こないだの飴だって勢いで貰っちゃっただけだし、」
「でも運んでくれたのは事実だし、それは優しさだよ?
寝ちゃうくらいってことは、ずっと起きるの待ってたってことだし、倒れたの見つけても他の人だったら通り過ぎちゃうかもしれない。それを運んでくれたのは富谷君だもん。
ということで、これどうぞ。」
富谷君はきょとんとした顔で、私の方を見ている。
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