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10分としないうちに、ムスッとした顔で親友が戻ってきたのが見えた。
手には何か抱えている。
周りは遥樹と長谷川さんについてなんだかんだ煩いが、この際煩いので耳に通すだけで脳まで伝達させないことにした。
遥樹はムスッとしているが、 あれは嬉しいのを悟られないようにするためだ。
相当嬉しいに違いない。
「どうだった?」
「やばい、やばかった、もっと惚れた、優しすぎる」
遥樹は包を抱え込むようにして机へ突っ伏して、やばい、だとか、どうする、だとか、死ぬ、だとか、とにかく色んなことをブツブツブツブツ言っている。
「で、それどうしたの?」
遥樹が大事そうに抱えている包みを指して言う。
「なんかお礼、だってよー。生ものだから早く食べて、って言ってたんだけどさ、そんなん食えるわけないじゃん!無理!一生保存しておきたい!」
生もの…って…
「お前それ、そんなに抱えてたら早く劣化するんじゃないか?」
「……わ、やば、ほんとだ、」
全く、本当に惚れてんだな。
一時期、顔見るためだけにバスケしてたし。
「俺、今の時間で食う、って長谷川に言ったんだよなぁ、食わないとなぁ」
「何テンパって口滑らせてんだ、でも、それじゃあ食わないとだな」
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