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「んー、なあ朔、これ写真撮ってくれないか?俺のスマホで。
お前だったら騒がれても、彼女からの、とか言って誤魔化せるだろ?」
「ああ、いいぞ。 遥樹も早く長谷川さん彼女にしろよ?」
「………頑張るからほっとけ」
今度は本当にムスッとした顔だ。
これは怒っているというより拗ねているに近いが。
言いながら遥樹は、自分の膝の上で隠れるように、コソコソ包みを開けている。
「うっわぁ、チーズケーキじゃんこれ。え、何しかも手作りか?
うっそ、、なあ朔、これ手作りだよなぁ?」
言われて覗き込むと、確かに手作りだ。
昨日の今日で手作りするとか、やっぱり騒がれるだけの事はあるな、長谷川さん。
「あいつ、そこまで頑張んなくていいのに、また倒れたらどうすんだよ…」
「そこまで感謝してるってことだろ?取り敢えず写真撮るぞ、食う時間も無くなるし」
いくら誤魔化す術があるとしても、やはり面倒なことには変わらないので、ササッと手早く、いい角度で何枚か写真を撮り、遥樹に返した。
「ありがとな!それじゃ、頂きます」
遥樹は丁寧に手を合わせて、深々とお辞儀をし、でも手早く食べ始めた。
「うっま!!なにこれおいし!」
遥樹は幸せそうにして、チーズケーキを頬張っていた。
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