運命のボタン

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「はーはっは!ジョークだよ、ジョーク。どれも偽物だ。びっくりしただろう、サム」 サムは訳が分からなかった。 まだボタンを握っている。 ひーっひっひ。まだ大統領は笑っていた。 「いやあ、この状況での君の忠誠心に敬意を払うよ。本物はこの机の引き出しの中だ。この時期に、そんな馬鹿な事するもんか」と大統領は、机に振り返った。 「うわー、何これ?凄いや」とトニーは机の引き出しを開けて、中のボタンに手を掛けていた。 「うわーっ!だ、駄目だあ!」と、大統領とサムは同時に叫んでいた。 「えっ?」 トニーはボタンをポチッと押した。 大統領とサムは、部屋の窓の傍らに急いで駆け寄り、そして空を見上げた。 窓の外には、白い煙が飛行機雲の様に何本も何本も、立ち昇っていたのであった。 終わり
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