マキノ

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 血色の悪い白い顔で、ひょろっとした体で、ちょっと鼻にかかった甘い声なのに、ぶっきらぼうなマキノ。  どこか、甘え上手なマキノ。  (本当は、わたしの片思いなのかもしれないなー)  マキノが残り物じゃなくて、ただ単にわたしがマキノを好きだから。  わたしがマキノを面白い、一緒にいて楽だと思っている気持ちの半分でも、マキノがわたしに対して抱いてくれたらと思う。 **  その日は珍しく雨だった。  マキノは例によって午前中で姿を消してしまい、給食の時間には既にいなくなっていた。  わたしは当番だったから、掃除を終えて日誌を書いて提出して、みんなより遅くに学校を後にした。玄関はがらんとして、夕日の赤が照っている。  降りしきっていた雨は少し引いていて、ぼしょぼしょと湿っぽい音が響いていた。  涼しい風が開け放された入り口から吹き込んでいる。  外履きにはきかえた時点で、あれっとわたしは思った。なんとしたことか、傘を忘れて来たのだった。天気予報はチェックしていたはずなのに、ここのところ晴天続きで油断したのだ。  軒下まで出てみると、やっぱり外は雨で、ぼしょぼしょぼしょぼしょ校庭に水たまりができていた。  「あー……」     
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