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山上君のことを好きにならないなら
「山上君のことを好きにならないなら、今まで通りキミちゃんと喋ってあげても良い」
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三日前くらいから、マキノの様子が変で、避けられているなと思っていた。
もともと学校には来たり来なかったりのマキノだけど、ここ最近は珍しく、真面目に登校している。
最も、四時間目が終わって給食の時間になったら、忽然と姿を消していたりするのだけど。
わたしがマキノと喋るのは、夜中か、学校が始まる前の早朝と決まっている。
だけど、ここ三日間は、電話をしても、うちの前まで行ってガラス窓に丸めた紙くずをぶつけてみても、無視されている。あまりにも変だから、この土曜日、学校が休みなのをいいことに、マキノのアパートの前で、猛犬太郎を連れて、うろうろしてやった。
猛犬太郎は2歳の雑種で、ズン胴で頭がでかくて、もさもさしている。
犬が大好きなマキノは、猛犬太郎をこよなく愛している。
「かわいいー、猛犬太郎と一緒なら、家なき子みたいに旅しちゃう」とか、臭いもふもふに顔をうずめる。
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