第1章 2550年

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なに?! 思わず音の鳴った方を振り返って窓の外を眺める。 各地区に設置してあるスピーカーからがガガガ…という音がして緊急速報が流れた。 《緊急速報をお知らせします。 緊急速報をお知らせします。 何者かの侵入によってブレーカーがダウンしました。復旧の見込みは立っていません。皆さま手動電源にお切り替えの上、次の放送まで安全な場所で待機してください》 何者かの侵入どういうこと? そう思った次の瞬間、 家中の電気が消え、ロボット達が全てフリーズしてしまった。 機械化された日常は、 その主電源が止まってしまうと全てが停止してしまう。 暗がりの中どうにかそれぞれのロボットを探し当て 手動に切り替えると何体かはようやく動き出した。 何体かは動かないままということは、 お母さんが、モーターの充電をし忘れていたんだと思う。 手元に置いてあった携帯も、確認してみたけれど電波が繋がらないような状況だった。 これは…非常にまずい… 手元の携帯のライトを点けて周りの状況を確認する。 プープープーと大きな警音がして、 再び緊急速報が入った。 《皆さま危険です、危険です。刃物を持った何者かがこのエリアに侵入してきて…ヴ…プープープー》 途中から音が聞こえなくなる。 やばい、何者かに乗っ取られる?! それよりも司令塔にはお父さんがいる…もしかしたら妹の絵梨(えり)も居てるかもしれない。 気づいたら私は箒を片手に外に飛び出していた。
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