第2章 自分との闘い

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開成(かいせい)っ」 誰かに呼ばれた気がして、後ろを振り返る。 透悧(とおり)くん… 私の後ろを透悧くんも箒にまたがり追いかけてくれてたらしい。 「お前っ、1人でどこ向かってんだよ!!!」 グイッと手を引っ張られる。 「っお父さんと、妹が司令塔に居るかもしれないからっっっ」 そういうと、 「アホか!!お前解ってんのか!!!!相手はどんな奴かワカンねぇんだぞ!!お前1人だけで行くなんて自殺行為だ!!」 ハッとした。 その通りだ…相手がどんな奴かも解っていない。 「…お前の気持ちも解るが、ここは冷静になれ…」 頭をガンだと殴られたみたいだった。 「そうだよっ、3人集まれば文殊(もんじゅ)の知恵とか言うじゃんっ」 横から可憐もで出来た。 「可憐っ」 「お前またそういう古い言葉いう…」 透悧くんがなぜか可憐を宥めている。 「なによぉ、3人集まれば、 1人じゃ出てこない智慧も出てくるかもしれないでしょー」 可憐がプゥっと頬っぺたを膨らましていた。 その様子をみてもしかして… 目立ってしまってはいけないので、 一旦空を飛ぶのを止めて物陰に隠れながら 「え…もしかして、2人付き合ってたりするの?」 思わず聞いてしまう。 「ば、馬鹿ちげぇよ!!」 透悧くんは顔を真っ赤にして否定した。 「そう…モゴモゴ」 隣に居た可憐も何か喋ろうとするが、なぜか 透悧くんが可憐の口を押さえている。 そっか…やっぱり2人は… だけど2人お似合いだもんな。 どこか胸はチクリと痛んだけど、 今はそれどころじゃない。 私は透悧くんと、可憐と3人で作戦会議を立てることにした。
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