第2章 自分との闘い

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私たちは地上の居住区エリアに住んでいた。 居住エリアの周囲には電気が張り巡らされた厚い特殊な黒い壁に囲まれていて、 外からの侵入を防いでいる。 外にはAIやロボットも配置されていて、 侵入者があれば今日みたいに警報がなるシステムになっていた。 この居住区に入るには住んでいる者にしか配られない、 I.D.カードを通し玄関ゲートを通らなければならない。 勿論司令塔とは別区域になっているので、 玄関ゲートを入った後も居住区につながる第一防御壁、通称第一ゲーターを通過しなくてはならない。 つまり、居住区に住んでいる者でしか入れない仕組みになっていた。 また反対側には司令塔へと続く第二防御壁があり、 ここを突破するには司令塔へ携わる者だけに与えられたI.D.カード、 またはパスワードをモニターに通さなければならないことになっている。 何れにしても誰か他の侵入者が入るとネットワーク侵入防御システムが作動し、警報がなると言う仕組みだった。 私たち3人は第一ゲーターを通過し、立ちはだかる次の壁の前に佇んでいた。 司令塔エリアに行くためには防壁の突破口を考えなくてはならない。 わかっているのはローマ字と数字を組み合わせてパスワードを設定することになっていると言うことだけ。 予備のI.D.カードはリビングにあって持ってきていたから、あとはパスワードを解くだけだった。 お父さんが考えそうなパスワード・・・ お父さんならきっと・・・ そう考え一つ一つパスワードをモニターに入力していった。 失敗は2回まで。 3回失敗するとデーターが向こう(司令塔)へと送られてしまう。 慎重を重ねゆっくりと文字を入力していった。
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