第1章 2550年

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見渡す限り秋晴れの快晴。 こんな日は、 いつもより少し早めに家を出て魔法の修行をしようと思った。 「いってきますー!」 勢いよく玄関の扉を開け、箒にまたがり学校へと向かう。 開成愛梨(かいせいあいり) 16歳 身長157センチ 体重は秘密 見た目は童顔、肌は綺麗って言われるけど 良くも悪くも平凡な顔をしていて、 髪の毛はくせ毛な上クルッと肩先で跳ねてる。 しかも色味は緑がかった黒ときたもんだ。 これはお母さん方からの遺伝で 陽に当たると透き通った緑が目立つ アッシュカラーみたいになってる。 兎にも角にもまだ見習いの身だから、 ノロノロ運転で上手いこと箒をコントロール出来ないところがたまに傷だけど、 そう兎に角今日は 修行するには最適な朝だった。 ここは2550年 空の交通規制も整った未来型都市。 魔女や妖怪、 そして人間が入り混じったこの世界には、 半妖もいれば純潔の人間もいれば、 魔女もいるそんな世界。 皆んな基本的には、特殊能力を持ちその能力を活かしながら生活していた。 2000年代には人がコンビニやお店の店員をしていたなんて教科書で読んだことがあるけど、 今じゃロボットやセルフレジが当たり前の世の中だし、製造ラインだって殆ど人はいない。 正直、そんな原始的な方法をこの国が取っていたなんて信じられない。 箒にまたがり、15分。 私は魔法養成所高等部へついた。 「おはよう開成(かいせい)くん。」 高等部の入り口にI.D.カードをカチッと翳すと、 モニター越しに生徒指導の蓬莱先生が挨拶をしてくれて、門を開けてくれた。 機密事項が沢山ある学校組織は今やI.D.カードや顔認証システムが当たり前。 セキュリティもバッチリ完備されているのだった。 箒に乗って少し汚れたスカートのプリーツをパッパッと払い、いつものレッスンルームへと急いだ。 レッスンルームは予約制で自主練したい生徒が毎回 メールで使いたい時間帯を選んで使うことになっていた。 今日は個人レッスンルームを30分間借りていた。
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