7人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
田舎だけあって、猫さんもノンビリしているのかな?
三毛さんは、あたしのことなんか眼中にない様子で、お店とお店の間の路地に姿を消していった。
ほほぅ……
ここに探険の余地のある猫道がありましたか。
あたしは新しい発見があることを期待して、三毛さんの後をつけることにした。
猫さんの道案内で新しい場所を発見なんて、ちょっとステキじゃないですか!
猫道って結構細いところを無理矢理通る感じがあるけど、この三毛さんは親切なのか、通りやすいまっすぐな道を辿ってくれていた。と言っても、幅が1メートルくらいの薄暗い路地なんだけどね。
やがて先に明るい場所が見えて、ゴールが近づいてくるのがわかった。さて、どこに通じているんだろう? と、ワクワクドキドキしながらその光の中にあたしは飛び込んだ。
すると……目の前に広がっていたのは、やたらと活気づいていて、やたらとレトロな雰囲気の建物が建ち並ぶ商店街。いったいいつの時代なのかわからないけど、とにかく古い印象しかあたしは受けないから、たぶん、昭和とかその辺の建物なんじゃないかな? なんて思う。たぶん。
問題はそれだけじゃないんですよ!
やたらと活気づいているってさっき言ったよね?
そう、さっきまでいた表通りの商店街みたいに、なんだか寂しい雰囲気ってヤツがここには漂ってない。街路は行き交うヒトであふれてる。
ヒト……?
ヒトって言っていいのかな?
察しのいい人はもう理解したと思うけど、町を行き交うヒトたちは、みんな直立二足歩行する動物たちだった。
最初のコメントを投稿しよう!