キッカケはそんなこと

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B「先輩。寒くないんですか? 雪が先輩にまで積もってますよ? てか、何撮ってるんです?」 A「『平成最後の冬』だよ。この前部活で決めたやつ」 B「ああ。なんか言ってたかも。じゃあ来年は新しい元号の最初の冬を撮ろうとか言うのかなーって思った記憶が」 A「情緒がないなあ。最後って付くと、人は寂しく感じるものだよ?」 B「今生の別れでもあるまいし。多分ここ、来年も同じ景色ですよ? ……それに。景色なんて自分の目で見れば十分じゃありません?」 A「……キミ、なんで写真部(うち)に入ったの?」 B「だって俺。先輩が好きなんで」 後輩は少し首を傾げてニヤリと笑う。 その告白は彼女を熱し、彼女の頭や肩に積もった雪が溶け出す。 そして、真っ白の雪景色の中、紅潮した彼女の頬はより一層映えて見えた―――。
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