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その開栓する一ノ瀬の余裕な振る舞いに
失敗でもして慌てふためく姿になれば面白いのに。
などと良からぬ考えをしていた
――しかし、
そんな咲の願いも叶わず
赤ワインをグラスに注ぎ、色をじっくりと眺め
「鮮やかなルビー色、タンニンやや少なめ…かな、」
一度香りを嗅いだ後、くるくると空気に触れさせ、また嗅ぐ
写真を撮るのを止めて一ノ瀬の真剣な表情をつい見つめていた
飲んだことのあるワインの記憶を辿っているのか、目を閉じ、落ち着いて言葉に出した
「なめし革の香り―、凝縮された果実
ピノ・ノアール…」
―はッ!?「あ゛っ!あぁっっ!?」
いきなり咲がおかしな奇声をあげた
「やかましいな。今度は何だ、」
菅は反応したが、一ノ瀬は集中しているのか、無反応でワインを口につけている
思い出したっ!あの……顔
「ワインセラーの、、」
咲は静かに呟いた後、数枚写真に収めると
元の椅子に座ると同時にPC画面に向かい
カタカタとキーボードを叩き始めた
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