番外編Ⅵ

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あわあわしている咲が話すのを待ち切れずに 「“俺は”?『俺は持ってないけど、 持ってる奴はいる』?」 一ノ瀬は予想した台詞を冷静に喋った 「違うっ!そうじゃなくて、 かなり印象深い写真だったから、 そういう記憶力はあるんだって、」 「へぇ、」 人の名字は全く覚えないのに? 面白いなコイツは、 と ジリジリと追い詰める視線を送り 一ノ瀬は楽しそうに笑った 「な、何だよ……?」 「何が隠してるだろ?」 PCが置かれているディスクに寄りかかり、しゃがむと、うつ向く咲の顔を覗き込んだ    ドキ… 「え?」 (――は?? ドキッて何だ!?オイッ 違う、問い詰められてるからドキドキしてるだけだよな、俺?) 「ス マ ホ。 さっきから隠そうとしてないか?」 「かっ?なっ、し、、してない、、」 咲が動揺しているのをお構いなしに 一ノ瀬はスマホを取ってやろうと近づいた
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