番外編Ⅵ

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「ツイッターだか、ナントカbookに載せる ヤツか、どれ、」 スマホを操作している咲に近づき、菅が覗き込んだ 「Facebookです、いい加減覚えてください。 ―この写真どうッスか?」 ちょっと不機嫌なのは、なかなか覚えの悪い菅に対してなのか、それとも― 「お、良いセンス。綺麗に撮れてる へぇー、」 ボトルキャップを外している場面、グラスにワインを注いでいる場面、どちらも しっかりとラベルが見えていて、一ノ瀬は 感心した 「これならいいだろ、」 咲は、少し照れくさそうに笑い、ホッとした そして、スマホを取られないようにギュウッと強く握りしめる 「いいよ、―撮ったのこれだけか?」  「だよ、」 「……、」 「遅くなった、昼休憩しよう! 一ノ瀬君昼飯どう?」 二人の問答に菅が割り込んで聞いてきて 一緒に食べないかと誘ってきた 「いえ、もう帰ります、 ありがとうございます。また買いに来ます」 迷いもなく、一ノ瀬は上着を来て帰り支度をすると、咲は残念そうに顔を曇らせた
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