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一ノ瀬は電話を切ると待ち合わせ場所の
駐車場へ足を向けた
先程、窓から見えた葡萄畑とは違う畑がいくつも見渡せた
収穫時期は忙しいのだろうな、と思っていると後ろから声がした
「一ノ瀬くん、待って、、」咲が紙袋を見せて追いかけてきた「これっ――、菅さんが、持ってけって」
少ししか走ってないのに息切れをしていた
「なんだろう?」
紙袋の中を見ると生食用の葡萄が入っていた
「―後、、」
「ありがとう、―んっ?」
「いや…、今日は…、」
何かを話そうとした咲は、視線が合うと、言葉に詰まってしまった
それを見た一ノ瀬はふっと笑い
「咲、スマホの中に好きな人の写真があるんだろ?」
と、言いきった
「えっっ!?」
自分の気持ちがバレた!?
咲は心臓が飛び出そうなくらい驚いた
その反応に一ノ瀬は確信した
「恥ずかしがる事ないだろ?別に、
彼女の?あっ彼女じゃなくて?隠し撮りか?」
「はっ?」
……ちょっと当たっている、けど気が付いていないようだ
俺はさっき、君の盗み撮りをしたんだよ
そんな写真見られたら、ドン引きされそうだし
俺の気持ちがわかってしまうだろうと…
…だから、、
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