番外編Ⅵ

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「自然派ワインを良く知らないヤツが、 “澱がある”ってバカみたいに騒ぐだろ、」 咲の事を何も知らない奴からバカにされたり、嫌な思いをしたのか、 昔の俺みたいだ、と一ノ瀬は苦笑いした 「舌触りが良くないからグラスには注がないようにしているだけで、澱があるのは何も問題ないのにな。 フェルタリングが多くなってるが、俺は渋みのある熟成されたワインは好きだ。 ――そんな奴等(バカ)は気にするな、」 咲に向かって微笑んだ 「―うん、、」 そのままでいい。と 理解してくれたようで咲は嬉しくなった 『ありがとう』と言いたいのに、真剣に考えてくれている彼に、急に恥ずかしくなった ――なに話してんだろ、俺、 「咲、“ワインの涙”は見たことあるか?」 「え、いいや、聞いたことはあるけど 実際に見たことは、、」 「無いのか、修行が足りねーな(笑)」 「うっ…、何だよ偉そうに、」 この場をつなぐ明るい口調 相手の気持ちを上手く読み取る、 咲は、口下手な性格だからか、彼の会話に驚かされていた
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