番外編Ⅵ

52/63
前へ
/163ページ
次へ
紗月(さつき)さんよ、最初と忙しくなりそうな時間帯だけ入ってもらうの、以前会ったよね、」 「あー、さっちゃんか、」 巳耶は店長が愛称で呼び、笑顔になったのを見て ―同じ料理仲間だろうか…、綺麗な女性なのかな、と考えてしまいモヤモヤした 二人の表情を見ていた絢香は尾上にコソッと耳打ちをした 「…ねぇ、今 一ノ瀬君、男が来たらってヤキモチやいてなかった?」 「女って聞いてホッとしやがったな、」 尾上も つられて小さな声になり、笑いを堪えた 「そのホッとした顔に、巳耶ちゃん誤解してヤキモチ……、」 「なんなんだ、中2か(笑)」 絢香は巳耶に近づき背中をぽんっと軽く叩き 「紗月さんて、私の従姉妹(いとこ)、 いい歳の既婚者よ、」 と、説明した 「イトコ……、」 既婚者でもなんでも、女性と言われると― あ、でも身内なら手は出さないか いやいや。何、疑ってるの、 巳耶の頭の中で葛藤が始まった
/163ページ

最初のコメントを投稿しよう!

316人が本棚に入れています
本棚に追加