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「先生なんて呼べるものじゃないですよ。
相応しい人は他にたくさんいます」
身を乗り出した体勢から、美帆子さんを跨ぐ体勢に変える。
そうっと目隠しをした手を離すと、熱っぽい瞳が僕を支配する。
「そんな事言わないで」
美帆子さんは腕を伸ばし、僕の首にぶら下がるように引っかけた。
無防備な脇が見え、息を呑む。
「私の心を動かしたショウくんは、私の先生よ。
小説だけじゃない、他だって....」
そして、触れるだけのキスを美帆子さんからしてきた。
そんな体温の高い彼女が愛おしく、このまま家に帰らせたくなくなる。
この関係が駄目なのも分かっているし、声を大にして言えた関係でないのも分かっているのに、どの男女よりも愛し合っている自信はあった。
今、彼女を一番愛しているのは僕だ。
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