Ⅱ ~ショウside~

13/25
前へ
/147ページ
次へ
「...それ、僕には向いてないですよ」 しかたなく試しに話を聞いてみたところ、 ホストではないらしいが、 僕からしたらほとんどそれに当てはまっていた。 「それって社交的な人じゃないと厳しくないですか。 自分は口も上手くないですし、 他を当たった方がいいと...」 いざ僕が話し出すと 彼女はその間、ずっとつまらなそうに 腕のレースをなぞっていた。 さっきまで散々こちらを凝視していたくせに。 黙り込むと それで? と彼女は退屈そうに顔を上げ、テーブルに肘をついた。 「ねぇ なんだか私が手当たり次第に 話しかけてると思っているようだけど、 そんな訳ないと思わない? どこかのティッシュ配りと同じにしないで」 再び凝視される。 切れ長の瞳は深く深く黒い。 「私が価値があると思った男の子は皆人気になっていくの。 嘘に聞こえるかも知れないけどそうなの。 だから心配なんてするだけ損よ。 もうあなたに価値がある事は分かっているの」
/147ページ

最初のコメントを投稿しよう!

182人が本棚に入れています
本棚に追加