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「......そんな大切な場所に僕を?」
心臓の音が邪魔で料理の味が分からなくなってきた。
「...それがね、私にも分からないの。
でもあなたを連れていきたくなった。
......本当、なんでだろうね」
そう笑ってテリーヌにナイフを入れていた。
僕は何かを言おうと口を開いたが、
変な事を言ってしまいそうな気がして口を噤んだ。
"もしかして僕の事が好きだからじゃないですか?"
なんて本気で聞いてしまいそうだった。
違うお客になら言っていたかもしれない。
その方が楽しんでくれると判断して。
だが、美帆子さんには
そういう軽口を平気で叩く男だと思われたくなかった。
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