Ⅱ ~ショウside~

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「今日は美帆子さんの事、聞いてもいいですか?」 メイン料理の子羊のローストが運ばれてきた頃、 僕は訊ねてみた。 肉の焼き目にナイフを当てた美帆子さんが顔を上げる。 「...私?...いいよ面白くないかもしれないけど」 「えっと、...じゃぁ、美帆子さんは子供の頃 どんな子供だったんですか?」 すると美帆子さんはナイフを入れる手を止め 少し声を出して笑った。 今日の中で一番いい笑顔かもしれない。 「ごめんね 急に笑いだして。 ...ショウくん、凄くかしこまった顔で言うんだもの。 なんて聞かれるのかと思ったら、ね?」 余程 真剣きった顔で訊ねていたのだろうか。 途端に恥ずかしくなって僕は水を飲んだ。 美帆子さんは落ち着いてきたのか ふぅと満足気に息をついてから口を開いた。 「子供の頃かぁ。 ......そんなに大人しい子じゃなかったかも?」
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