愛を買う

Ⅰ ～美帆子side～

そのページにはずらりと男の子の顔写真と
ニックネームや軽い自己紹介が載っていた。

ほとんどが私よりも若い20代。

｢...え こんなに若いの｣

真っ先に目に止まったのは 大学生の20歳で
『ショウ』という名の男の子だった。

垢抜けすぎてない、でも今どきの若者っぽい顔つき。
私服のような格好で爽やかに笑っている写真からは
とても可愛らしい青年に見える。

でもこのサイト、怪しくないと言えば嘘になる。
品があるか無いかと言われれば無いになってしまう。

しかし、
面白半分だったはずが徐々に
なんだか利用してみたくなってきていた。

だって 家にいる日々が続けば
退屈に感じる時もあるし
なにしろお金なら全く問題無い。
これくらい
少しばかり買い物をしたのと何ら変わらない。

もともと昼間なら何をしていようと関係ないが
正成の帰ってこない今日明日なら余計に
家をあけやすい。

もし嫌だったらお金だけ置いてさっさと帰ってくればいのだ。
もしかしたら案外楽しいのかもしれないし。

私はくいっと紅茶の最後を飲み干したと同時に
1時間1万円のショウを買ってみようと決めた。