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 え、ほんと?と言ってぴたり、きみに近づく。  やわらかい風がいちごのかおりを乗せてわたしたちを包み込む。  それはとても綺麗だった。 だけど…。 「ルビーには見えないや」 「あんたには、夢がないね。  あたしはいつか.こんな大きくてひかるルビーが欲しいなぁ」  きみは笑いながらそれを左手の薬指に寄せた。細くて白い指の上でそれはぴかぴかと光った。  わたしも馬鹿みたいに笑いながら、 「無理無理。今現在、振られてんだから今後も振られる可能性大だから。付き合えても結婚はできないかも」 「うわ! 今のは傷ついた! 」  きみは左手を目の下に持っていって泣いたフリをした。まだ腫れている目は本当に泣いているように見えて。なんだか申し訳なくなった。  嘘だよ。嘘。  今年で18歳になったから、四年後ぐらいにきみはわたしに純白のウエディングドレス姿を見せてくれるんでしょう。大きなルビーを薬指にはめて。  きみが望むならわたしは何でもするのに。  世界一大きいルビーだって、世界一綺麗なドレスだって用意する。それで、家族と親戚と沢山の人たちを呼んで結婚式を挙げようよ。日本じゃなくて、ハワイでも素敵かな。
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