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二人の関係
「何だ何だ、ヤス。朝から何疲れてんだよ?」
「真宮会長のお取り巻きに、何か言われたか?」
オレの前の席と隣の席のヤツが、からかい気味に声をかけてくる。
お取り巻き…そう、光雅にはそういうヤツらが側にいる。だが…。
「そんな勇気のあるヤツいるか」
「だよな~。真宮会長の寵愛を受けているお前に何か言おうものなら、命知らずも良いとこだ」
「悪口一つで退学だって、聞いたことあるぜ?」
「あってたまるかぁ! そんな独裁政治!」
…いや、光雅ならありそうだからこそ、全力で否定する。
「アハハ、冗談だって。それよりヤスも大変だよなぁ」
「そうそう。あんなカリスマ的な幼馴染がいたら、心休まらないだろう?」
「まあ、な…」
心は休まらない。十年前からずっと…。
「ヤスだって充分、イイと思うんだけどな。成績だってウチのクラスじゃトップだし、運動神経だって良い。顔もそこそこだしな」
「側に会長がいると、どーしても霞んでしまうんだよなぁ。まっ、それは誰でもそうだろうけどよ」
「ああ、だろうな。だから光雅には友達っつーもんがいないんだろう」
光雅は悪いヤツじゃない。
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