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「はいはい」
目の前に置かれた真っ白なコーヒーカップには、香ばしいコーヒーが注がれ、白いミルクが渦を巻いていた。
オレが何も言わなくても、好みの量のミルクを入れてくれる。まあ付き合いが十年にもなると自然と覚えるんだろうけど、オレは光雅の好みなんざいちいち覚えてはいない。
光雅はオレの向かいのイスに座り、手を合わせて頭を下げる。
「それじゃあ、いただきます」
「いただきます」
オレも光雅に倣う。毎朝のことだった。光雅は躾に厳しい。自分にも厳しい人だけど、オレへの場合は教育もあるからだろう。
「味はどうかな?」
「んっ、んまいよ」
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