オレとアイツの日常

4/4
435人が本棚に入れています
本棚に追加
/51ページ
「はいはい」  目の前に置かれた真っ白なコーヒーカップには、香ばしいコーヒーが注がれ、白いミルクが渦を巻いていた。  オレが何も言わなくても、好みの量のミルクを入れてくれる。まあ付き合いが十年にもなると自然と覚えるんだろうけど、オレは光雅の好みなんざいちいち覚えてはいない。  光雅はオレの向かいのイスに座り、手を合わせて頭を下げる。 「それじゃあ、いただきます」 「いただきます」  オレも光雅に倣う。毎朝のことだった。光雅は躾に厳しい。自分にも厳しい人だけど、オレへの場合は教育もあるからだろう。 「味はどうかな?」 「んっ、んまいよ」
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!