二人の関係

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 けれど天性的な天才だ。勉強や運動はもちろんだが、何をやらせても人並み以上。それが顔や体、しかも性格も加われば、あんまり近付きたくないタイプになる。…特に同性なら余計にだ。 「そう言えばさ、真宮会長、また芸能界から誘いを受けたって?」 「あ~、それ知ってる。芸能事務所が学院に連絡してきたんだろう? 毎度のことじゃないか」 「まあ目立つからな、あの人」  街を歩けば誰もが振り向く美貌の持ち主。白くスベスベした肌に、長い手足。それに高い身長に、整った顔立ち。髪の毛だってサラサラで、そんじょそこらの女子が勝てる見込みはないほど。  カッコイイというより、キレイな顔立ちをしている。十年前はそれこそ女の子みたいに可愛かったが、今は綺麗に昇格したな。  それでも武道をやっているので、精神もケンカも強い。その他、何をやってもプロ並みというのは恐れ入る。  …おかげでオレはこの十年、日陰の人生をまっしぐらに生きているワケで、そろそろもう自暴自棄もイイところとなってきている。 「まあそれも高校にいるうちだけだろう? 高等部卒業したら、どうするつもりなんだろうな?」 「ヤス、何か聞いているか?」 「さぁな。一年以上後のことなんて、考えていないと思うけど?」 「まあ会長だったら、どこにでも行けるし、何にでもなれるだろうな」 「そうだな。心配するだけ損かも」     
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