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「まあ忙しいみたいだしな。今日行けば、顔を合わせられるかもしれないぞ」 「ぜってーイヤだ」 「まあまあ。とにかくボクはちょっと用事があって遅くなるけど、教室で待っててくれ」  と言うが、オレに拒否権はない。 「…分かったよ」  だからこう答えるしかない。  光雅は満足そうに頷き、空の食器を片付け始めた。  そして二人そろって登校する。マンションから学院まで、歩いて十分。  しかし途中で、同じ学院の生徒達は光雅を見ては歩みを止め、頭を下げて挨拶をする。 「おはようございます、会長」 「おはようございます、真宮生徒会長」 「ああ、おはよう」  対して光雅も笑顔で返事をする。 「あっ、安恵やすえさんもおはようございます」 「安恵書記、おはようございます」 「おう、おはようさん」  オレにも気付き、慌てて挨拶をしてくる。苦笑しながら手を振り、挨拶を返す。そりゃこんなカリスマオーラバリバリの光雅の側にいたんじゃ、オレの存在も薄れるよな。  校舎に着くと、オレは声も無く安堵のため息をつく。ここで一旦、光雅から逃げられるからだ。 「それじゃあ綾、ちゃんと授業を受けるんだぞ」 「分かってるって」  光雅は少し寂しそうに微笑みながら、オレの頭を撫でる。 「それじゃあ昼休みに」 「ああ、生徒会室に行くから」     
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