痛み請負人

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痛み請負人

『その痛み…請け負います…』 ねぇねえ、痛み請負人って知ってる? 何それ、知らないしダサいし意味分かんないし。 アンタ何か知ってんの? うん?いやー噂話程度なんだけどね…。 SNSやネット社会、ゴシップなどにも滅多に露出しない『痛み請負人』をご存知だろうか。 簡単に説明しようとしても、百聞は一見にしかずである。いくら説明しようとも、実際にその場を見たら、痛み請負人の本質を嫌でも理解することになる。 ともあれ、説明しないと仕事をサボっていると思われてしまいそうなので、痛み請負人について知ってることの中から、比較的イメージしやすいものを幾つか紹介していきたい。 一つ、ありとあらゆる痛みの身代わりになってくれる。 一つ、痛みの身代わりには代金が発生する。 大まかにこの二つが、痛み請負人についての説明である。ざっくり終わってしまうので、説明というほどの説明にもならない。 特に事務所を構えているわけでもなく、企業として成り立っているわけでもない。人伝え、口コミのみで噂が広がっている。 それでは何故、痛み請負人がSNSやネット社会などに拡散されないのか…それは、痛み請負人が依頼主と契約を交わす際の注意事項として、そういった類のものの一切を禁止しているからである。いくら禁止しようとも、その程度ではすぐに拡散されてしまうことだろう。だが、拡散されない理由を考えてみてほしい。 もし、拡散されたとした場合、契約違反になるため、身代わりになった以上の痛みが返ってきたり、代金以上の額を請求されたりしたら、どうだろうか。依頼主が契約違反をした場合は、もしかしたら、そのくらい、それ以上のことが起き得るのかもしれない。だから人伝え、口コミには、こういった文言が必ず残る。 『拡散しようものなら呪われる』 これは些か大袈裟な表現かもしれないが、あながち的外れとも言えない気もしないでもない。この話は、そんな痛み請負人についての話である。
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