痛み01

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店先でホットミルクとサンドイッチを食す少女。 食べ終わった頃を見計らって、店主が少女に声をかけた。 「嬢ちゃん、訳ありかい?」 「…うん」 「お、やっと口聞いてくれたか、可愛い声じゃないか…喋らないのが勿体ないなぁ」 「声…可愛い?初めて言われた…」 これが後に『痛み請負人』となる彼女と店主の出会いだった。 親でもなければ子でもない。でももし親子関係にあるのなら、そのくらいの年齢差。 「…美味しい食事を与えてくれて感謝します…」 「良いってことよ。それより嬢ちゃん訳ありだろ?理由も名前も聞かなねぇし、学校に行けとも言わねぇ。ここに好きなだけ居ても構わねぇ」 「…どうして?」 「困ってんだろ?なら助けが必要だろ?つっても、人間てのは勝手に自分が助かるだけだがな…嬢ちゃんにはまだ難しいか」 「…手…」 「お?なんだ?握手か?ほれ」 店主の手を握った途端、少女の中に映像が流れてきた。 この店主、交通事故で奥さんと娘を亡くしている。それをまだ清算できずに引きずっている。 少女は眼帯越しの右眼から赤い涙を流した。 「悪いな、痛かったか?」 「ううん…私、痛いの分からないから…」 少女がランドセルから取り出したのは診断書のコピーで、そこに書かれていたことを見た店主は驚愕した。     
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