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「グリーンピース、コーン、ニンジンですね、畏まりました…お時間10分ほど、お待ちください」
店員のいうように、10分くらいで3Lサイズのオーソドックスなオムライスがやってきた。
本来、オムライス一つにスープが一つつくのだが、何故か二つついていた。
「あの…スープ多くないですか?」
「サービスです。可愛らしい妹さんが喜んでくれる、それだけでよろしいかと思いますよ」
なんて粋な計らいをする店なんだ。
「妹…」
可愛らしい『妹』というフレーズに顔を赤く染める痛み請負人。SYUを見て微笑んでいる。
「さ、とりわけよう。君はどのくらい食べられるかな?」
3Lサイズのオムライスをなんとか食べ終えた頃だっただろうか。オムライスを運んできたウェイトレスがやってきた。
「お食事がお済みでしたら、食器をお下げいたしますね」
おかしい。普段なら、客が退席するまで食器を下げるなんて行為をしないのに、とSYUが勘ぐる。
ここは駅ビル。良くも悪くも、情報や噂が飛び交う場所ではある。
もしかしたら、痛み請負人の容姿を見てピンときたか…。
そんなことを考えていたとき、案の定やってきたのである。ウェイトレスが。
「あの…そちらの妹さんは、もしかして『痛み請負人』でいらっしゃいますか?」
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