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SYUは、妹さんじゃないんだけどなぁ、と思いながら受け答えしようとしたが、契約違反しないか考えた。
SNSではなければ、それは違反にならないのかもしれないが確証がない。
契約内容を改めて思い返すと、あやふやでもあり拡大解釈できるところもあるため、もしそれが自身の命に関わるような契約違反であれば、やりたくない。
SYUが受け答えを決めあぐねていると、本人が受け答えた。
「いかにも……『痛み請負人』である」
空腹が満腹に変わり、態度が横柄になったのか、些か偉そうであるが、それを聞いたウェイトレスが、腰にかけていたエプロンを外して、SYUの隣に座った。
「まさか、実在したなんて思いませんでした。私、名乗るほどの者ではありませんので名乗りませんが、お願いがあります」
彼女は困っていた。ここには鞄を持ってきていない。鞄を持ってきていなければ、契約内容も料金表もないのである。
「お姉ちゃん、どうしたら良い?」
「え?私?…そうね…後日改めて、とある喫茶店に足を運んでください。そこであれば、貴女のお願いが聞けると思いますよ。私がいなくても、とある喫茶店のマスターには話を通しておきますから」
「とある喫茶店…ですか。噂話でも、とある喫茶店と出てきますね。承知しました。では後日改めてということで」
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