2人が本棚に入れています
本棚に追加
痛み01
「あの!すみません!」
「私ですか?」
「不躾で申し訳ありません、貴女が『痛み請負人』で間違いないですか?」
「…まぁ…はい」
とある喫茶店での出来事である。不躾な女が噂を聞いて足を棒にして探し当てた『痛み請負人』が、早速見つかったところから始まる。
痛み請負人を探すにはヒントのようなものがあるが、人伝え、口コミであるから、伝わっていく間で変化している可能性もある。
そんな中、この不躾な女は、幸運にも辿り着いたのである。幾つもの喫茶店を梯子して、漸く辿り着いたのだ。
一つ、女性である。
一つ、〇〇地域のとある喫茶店によく居る。
一つ、なんか雰囲気がどんよりしてる。
一つ、黒が多めの服を着ている。
一つ、右眼に眼帯をしている。
とまぁ、このような具合で、探し当てるヒントがある。と言っても、必ずとある喫茶店に居るとも限らない。別の喫茶店に居ることも、たまにはある。
痛み請負人はこのとある喫茶店で働いている。とある喫茶店の店主は、彼女に働く場所を提供している。
「はぁ…はぁ……漸く見つけました…とある喫茶店!」
「落ち着いてください」
「はい…ごめんなさい」
最初のコメントを投稿しよう!