痛み02

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オムライスの店を後にして、二人はショッピングをすることとなった。それは、痛み請負人のためであった。 黒いジャージに黒いパーカー。基本、黒を基調とした服装な彼女のために、SYUが自腹を切ると、奢ってやると言い出したのだ。 「そこまでしてもらうのは悪い。自分のものは自分で買う」 そんなこと言っておきながら、今日は奢ってもらう予定だったので、財布など持っていない彼女は、すぐさまSYUの袖を掴み泣き言を言う。 「お財布…家…」 「良いのよ、買ってあげるって言ったじゃない。気にしないで」 SYUの厚意に甘えることにした。 「どんな可愛い服にしよっか?」 「黒!」 「あ…黒が良いんだ…なんで黒なの?」 「何色にも染まらないから…」 痛覚麻痺の彼女は、他人の痛みを請け負うことで生計を成り立てているが、痛みを感じるわけではない。 感じるのは苦しみや悲しみなどの感情がメインである。依頼主からは痛みが無くなる。 その痛みが感情と共に彼女を襲うが、都合よく痛覚麻痺なため、痛みは感じない。 それを比喩してのことか、何色にも染まらないから、などと言っているのである。 「これが良い…」 「(可愛い…でも20代が着るような…)うん、良く似合うね」 SYUは思っていたこととは別のことを伝えた。     
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