痛み02

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彼女が選んだ服は、黒を基調としたゴシックロリータ系のもの。 フリフリやヒラヒラも黒で、胸元にはワンポイントなどなく、腕のレース生地も黒、白い生地はまったく使われていない。 実際似合っていた。華奢な身体で、お世辞にも健康的とは言えない肌艶を隠すにはちょうど良かった。 「お買い上げ、ありがとうございます」 気前よく現金払いしたSYUは、まるで姉のように慕ってくる彼女に心を許していた。 「お姉ちゃん…あとで払う」 「良いのよ、気にしないで。そろそろ、帰ろっか」 「……うん」 若くして身寄りを失くした彼女にとって、依頼主としてのリピーターは沢山いるが、SYUのように親切にしてくれる人は、とある喫茶店の店主を置いて他にはいなかった。 他人の痛みを請け負うなんて眉唾ものだし、いくら考えても理解出来なく、仕組みも分からない。それに気持ち悪いから依頼以外では関わりたくない、というのが世間の意見。 「お姉ちゃん…優しくしてくれて感謝する…とても嬉しい」 「……まぁ、貴女の気持ちは分かるつもりだから。それと、可愛い子に優しくするのは当然でしょ」 ルポライターを趣味として活動しているSYUは、変わっていた。     
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