痛み請負人

痛み02

「アダ名決めない？」

「え…」

本名は聞かないということで契約成立している上、本名は聞けないSYU。
しかし、周囲から見たら姉妹に見られる可能性が高いため、君とか貴女とかお嬢さんとか、そういう呼称は違和感を与えかねない。
アダ名があれば、姉妹でなくても友だちくらいには思われるかもしれないのだ。

「友だち…良いね」

「私はSYU。これからもよろしくね。因みに本名じゃないから、活動名みたいなもんね」

「んー…アダ名と言われても…」

「痛み請負人だから…イタミン…てのは安易かな？」

「イタミン……」

本名『伊丹美咲』は伏せてある。痛み請負人から文字ったとしても、『イタミン』とは本名を連想させないか…などと考えたが、痛み請負人として仕事をしている中、特に何て呼ばれたこともないし、本名バレはしていないはず…などと思考を巡らせていた。
本名バレしないのであれば『イタミン』をアダ名認定して、これからの仕事もやっていこう…その方が、もしかしたらやりやすいけど、仕事している時はアダ名はない方向性で行けば問題ない…との結論が彼女の中で出た。

「イタミン…良いね」

「それじゃイタミン、私たちは姉妹であり友だちだから…うんと甘えて良いからね」