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生理痛の場合、痛みの度合いに関わらず一律一日五千円で、この不躾な女の場合だと四日は生理痛に苦しむため、料金は四日で二万円。
契約書には、主に注意事項が書かれてあった。宣言書のようでもある。
私(依頼主署名)は、決して契約違反をしません。契約違反をした場合、料金が上乗せされたとしても文句は言いませんし、必ず支払います。支払いができない場合は身体で返します。いやらしい意味ではありません。臓器売買のことです。もし契約違反してしまった時は、契約以上の痛みが襲ってくるけれど、文句の言い様がありません。契約違反したのは私ですから私が悪いんです。
契約内容:SNS、ネット社会、ゴシップ等には何があっても絶対拡散してはならない。上記注意事項を十分に理解した上で契約をする。契約違反をした場合、不利になるのは依頼主である。
「…はい、署名しました」
「…認印でも良いのですが…お持ちですか?」
「あ、いえ、今は持ち合わせてないです」
「それでは、拇印で結構なので、ここに押してください…これ、朱肉です…あとティッシュです…」
「…よしと、はい、押せました」
痛み請負人はまず契約書を見た。
よくもまぁ、こんなくどい契約書を作ったものだ、いったいどこの誰だこんなもの作ったのは…そうか、私だったか…などと思っている。
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